共通の趣味があると異性との関係も深まります。会話も弾み、一緒にいるのが楽しいとも思えてくるでしょう。類は友を呼ぶ、似た者同士は仲が良い。こんな言葉があるように、共通点が多ければその分関係性が深まります。それを類似性の原理と呼びます。
例えば芸能人が同郷と分かった場合、親近感を持ちませんか?接点がない人でもこのように共通する部分があると興味を惹かれるのです。これは出身地だけではなく血液型や生年月日などでも同じです。
一番使い勝手の良いところは趣味でしょう。同じ趣味の場合、類似性だけでなく会話の取っ掛かりにもなります。それを知った途端急に距離が深まる場合もあるでしょう。逆に共通点がないと話題を作るのも苦労し、それがストレスと感じてしまう場合もあります。
沈黙というのは人間関係を形成していくうえでデメリットになります。できる限り会話がつながるような話題を探さなければならず、それをこの類似性の法則を発動させて話しやすい場を作り出していくのです。
全く共通の趣味というものが無い場合、話がそもそも広がりません。相手を知るためにも共通の趣味を探すもしくは相手の趣味に合わせるという作業も必要となります。これは「ホットリーディング」という手法を用いて行う形となるでしょう。事前に相手の趣味嗜好を調べておけば不自然なく会話ができるようになります。工作でもこの方法は多く利用されます。会話の取っ掛かりとしてはとても使い勝手がよい心理マジックです。
しかし先々関係を深める上で何もかも同じというだけではダメで、また類似性というのもして良いところとダメなところがあります。例えば「料理は二人とも苦手」これは類似しておりますが、お互いが料理できないというのは好ましくないでしょう。このように負の部分が多く類似してしまうと拒否反応が出てしまいます。
似た者同士の親子でもその似ているところがコンプレックスとなっている人もいます。
なんでも似ていれば良いわけではないのです。
またお互いがマイナスという状態の場合、補うことができません。心理学者であるユングは物事には二元論的概念が多いという理論を出してました。
二元論とは内と外、意識と無意識、男性と女性というように相反するものがあるということです。しかしこれは対立をするのではなく、お互いが助け、補いバランスを取っているというものです。これを相補性と呼んでいます。できない部分を交際相手に補ってもらう。これは人間だけではなく動物界すべてにあることです。メスが子供を育て、オスが狩りに出る。このようにお互い助け合いながら関係を深めているのです。
何でもかんでも相手に同意し、相手に合わせていては初期段階は距離が縮まったとしてもある程度のところで破綻してしまいます。つまり類似性の法則は初期の恋愛に使えるものであり、その後に関しては相補性の法則に変えていかなければならないということになります。
恋愛というのは一つのことをただ反復しているだけでは発展はしないのです。
相手との距離感を考えながらそれに適した対応が必要ということです。