遠距離恋愛は上手くいかないということをよく聞きます。
その理由はこの心理的距離と物理的距離というものがあるからです。
人は近くにいるほうが親しく感じます。
「遠くの親戚より近くの他人」
集合住宅では隣人のほうが仲良くなりやすいのです。このように物理的に近い存在の人は心理的にも距離が近くなるということです。逆に遠距離の場合は心理的な距離も離れてしまうわけです。しかし好きな相手がいるとしてもむやみやたらと近づけば警戒させる恐れがあります。
人間は動物的な本能でパーソナルスペースというものがあります。身を守るため無意識のうちに近づく人に対して警戒するようになります。初対面の人が突然接近してくれば気持ち悪いですからね。このように無意識のうちに距離を保とうとする。他人に入られると不快な思いをする空間をパーソナルスペースと呼びます。
そこに入るためにはある程度の関係が作れていなければなりません。それを害さない距離は120センチ以上と言われております。
この距離は人によって違うのだと思いますが初対面の人であればこれくらいの距離で話すほうが人間関係を構築しやすいということになります。
この距離は「社会距離」と呼ばれております。ビジネスではまずはこれくらいの距離を保つほうが商談しやすいそうです。
逆に近距離というのは45センチ以内です。気を許していない限りこの距離でコミュニケーションを取ることは難しいです。手を伸ばせば捕まえられる距離のため信用されない限り、この形は無理でしょう。
無理やりこの距離を保とうとすれば相手に不快感を与えてしまう恐れもあります。
この距離に関する実験をしたのはアメリカの文化人類学者エドワード・ホールが提唱したプロクセミックス(近接学)理論というものです。
このように人間は無意識のうちに縄張りというものを作っているのです。それを使い分けてコミュニケーションを取っているのです。この対人距離に関しては、人種や生い立ちなどで大きく変わるでしょう。
日本人の場合「密接距離」は諸外国より広く取っているようですが、社会距離というのは100センチ未満と狭いのです。公共距離に関しては海外の平均は300センチ以上に対し、日本では100センチ程度です。日本は国土が狭く、また住環境も狭いのが理由だと思います。
3メートルの距離を朝の通勤ラッシュ時に保つことはできないでしょう。赤の他人でも満員電車では密接距離となってしまいます。ではなぜ満員電車で密接距離にいる人を不愉快に思わないかという部分に関してですが、これは無関心だからです。
極端に言ってしまうと人としての認識がないと考えるべきでしょうか。相手は危害を加えることがないという認識であれば、どれだけ近づいたとしても警戒はしません。一部の景色となっているでしょう。逆に満員でもないのにあの距離に知らない人がいたら気持ち悪いですからね。
満員電車の場合は他人ですが、それが初対面もしくは面識のある関係だとこの物理的距離が重要となるのです。
徐々に距離を縮めていくことで関係を深めることができるというわけです。いきなり近づくのではなく押し引きをしながら徐々に間を詰めていく。これは恋愛の鉄則ですね。
それでは冒頭にありました遠距離恋愛の場合はどうすればよいかという部分ですが、それに関しては「遠距離恋愛をうまくするコツ」の項目で紹介しようと思います。