「訪問販売をするときはドアが開いたら足を入れろ」これをすることで相手はドアが閉めれなくなるからです。これは実際のドアだけでなく、心のドアも同じです。フット・イン・ザ・ドアという心理用語があります。
直訳するとドアの中に足を入れるということです。この心理テクニックはイエスセット話法を用いたものとなります。
フット・イン・ザ・ドアと呼ばれるようになったのは訪問販売をしている人が商品を売りつけるのではなく「話だけでも聞いてください」という相手に負担の少ない要求をして足をドアの中に入れたことからです。
簡単に同意を得やすい要求を用意する。
つまり「イエスセット話法」です。最終的に訪問販売をする人は商品を売りつけたいわけですが、最初のうちはハードルを低くすることで受け入れやすくしていくのです。
次に行うことはドア・イン・ザ・フェイスです。これは返報性の原理を用いた手法です。
フット・イン・ザ・ドアとは真逆の手法になり、あえて同意が得られないような要求を最初に持ってくるのです。
例えば新聞の勧誘で「半年間契約してほしい」という要求に「それはちょっと…」と答えると「一か月でもよいので」というように譲歩してきます。相手が譲歩という行動をしてくるとそれに返報しなければという心理誘導が働き、「それなら一か月だけ」というように契約してしまうのです。
もともと新聞の勧誘の人は一か月の契約を取りに来ているため、実際は譲歩はしていないのですが、このように最初に無理難題を押し付けてからハードルを落とすことで受け入れやすくなるのです。
これを恋愛で使っていく戦法です。
例えば好きな人を誘う際に「今度食事に行こう」と誘ったとします。
相手は警戒して「機会があれば」というようなあいまいな返答になってしまうでしょう。ここであえて無理な要求をします。
「今度一緒に海外でも行こうよ」というような感じで誘ってみるのです。恐らく「仕事が忙しくて連休は取れない」というようにあいまいな返事ではないでしょう。
実際にそのようなことが物理的に難しい事情があればあいまいにする必要はなく断れるからです。
あえて断らせた後に「だったら週末飲みにでも」というように譲歩するのです。
このようにハードルを下げることで断りづらい環境を作るのです。
またそのように話す場合は日時と目的をセットにすることが重要となるでしょう。
結局のところ恋愛というのは自分をどのように相手に対して売り込んでいくかというのが重要となります。
明らかに誰が見ても良い商品は買い手が勝手につきますが、そうでない商品は売り手が販売しなければならないのです。
恋愛をうまくこなしていくためにはあなた自身がセールスマンにならなければなりません。
商品価値が相手に伝わらければよい部分もわかってもらえないのです。そのためにはこのような話術が必要となるのです。