カチッサー効果を用いた恋愛話術

人間は人に気持ちを伝えたりするために一番多く使うのが会話です。次に文章となります。
ただ当人が思っていることを必ず相手にそのまま伝えられるとは限りません。
またその伝わり方が変わってしまい関係を壊してしまうこともあるでしょう。

言葉というのは人との関わり合いの中でかなり重要なポイントとなります。
逆にそれをうまく利用できる人は言葉で相手との距離を縮めることが可能なのです。

心理学の用語でカッチサー効果というものがあります。
心理学者エレン・ランガーが実験で行った結果、とある手法を行うと相手に意思を伝えられ、また承諾を得ることができるというものです。
実験はコピー機を使った手法でした。

①「先にコピーをとらせてもらえませんか」
②「急いでいるので先にコピーをとらせてもらえませんか」
③「コピーをとらなければいけないので先にコピーをとらせてもらえませんか」

三つともコピーを取りたいという理由を述べたのですが、承諾率は①が60パーセント、②、③が90パーセント以上という結果なったそうです。
これがカチッサー効果が出たケースです。

人は何かを頼まれる際に理由づけをされると承諾する可能性が飛躍的に上がるのです。
①に関しては理由づけはなくただ要求をされているだけです。この場合の承諾率は六割程度ですが、ある一定の理由をつけると上がるようです。

②は「急いでいるから」というもっともらしい理由付けがされています。このように相手がその理由を理解すれば可能性は高まるということです。

面白いのはこの③に関してです。「コピーを取らなければいけないので」というのはあたかも理由のように見えますが、よく考えてみればおかしな言葉です。
ただそれでも承諾率は高まるという結果となりました。

この試験は5枚だけをコピーしたのですが、この枚数が増えると③の承諾率は下がり①と同程度となるようです。
要求内容が重くなれば人間は深く考えるということです。

これは恋愛をする上でも役立つと思います。

例えば「ホテルに泊まろう」というよりは「体調が悪いからホテルに泊まろう」、「終電過ぎたからホテルに泊まろう」といえば承諾率が上がるというわけです。
もちろん「ホテル泊まりたいからホテルに泊まろう」と言ってもこの場合承諾率は上がらないですね。
ホテルに誘うというハイレベルな作業だけでなく、単純に食事やデートに誘うときも使えるのではないかと思います。
というよりは普段から使っている人は多いでしょう。

例えば好意のある異性を誘う場合、何かしらの理由に託けて誘い出すことが多いと思います。
「仕事のことで話したいから今度食事にでも」や「相談したいけどあなたしかできる人がいないから今度飲みにでも」というような形です。
無意識のうちにこのように承諾率を高める手法を利用しているのです。

実際のところその理由というのは実行されないもしくは薄っぺらい内容のものも多いですね。そこは注意が必要です。
相談したいけどと言っていたのに相談内容がお粗末であれば、本来の目的は相談ではなく飲みに行くことではないのか?と思われてしまいます。
そうなると相手の警戒心というのは高まります。復縁を目指している人もこれを利用するのは要注意です。
とくに復縁の場合、相手にその気持ちを知られていることが多いです。
別の理由で誘ったが実は復縁を迫るためのものだったとなれば裏切られたと感じてしまうでしょう。
つまりもっともな理由づけをするにしても先を見越してしたほうが良いと思います。

中途半端な嘘をつくよりは「おなか空いたからご飯でも行こうよ」とか「週末だから飲みに行こうよ」というような理由としては薄いもので勝負をしたほうがよいかもしれませんね。

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